ここ数年、ずっとモヤモヤしていたことがありました。
20代前半だったころ、あれだけ夢中になっていた趣味のプログラミング。
規模はとても小さいものでしたが、それはそれは楽しく続けていました。
日中は仕事でプログラミング。帰宅後や週末は趣味でプログラミング。
ところが、最近は当時のように夢中になることはめっきり少なくなってしまいました。
それが歳ってことなのか?なんて考えていたこともありましたが、何か理由があるのかなと自分に問いかけてみたのです。
もちろんそれが答えだとは言い切れませんが、自分の中で一応理由付けができるようなことが見つかりました。
勢いが無くなってきた頃、仕事でのプログラミングがとてつもなく楽しく、日々夢中になってコーディングしていたプロジェクトがありました。それは今までで一番力を注ぎこみ、それこそ自分の持てる技術をすべてつぎ込んだ自分なりの集大成。
そのソフトウェアがリリースされた時、その満足感と次への意気込みは言葉で言い表すのが難しいくらいのものでした。
そう、今まで趣味でしてきたことでは味わえないような体験を仕事でしまったのです。
作るジャンルが違うとはいえ、仕事も趣味も同じ作業。それならより面白い方へ意識が向くのは当然…
というような理由が大きいのだと思っています。
では、今後どうするのか?
自分なりに出した答えは「可能な限りやりたいことを仕事にできるようにしよう」ということでした。
約10年務めた会社を辞め、個人事業主になって約3年。以前よりはその可能性は高くなっているものの、より面白いことを続けるには個人だと難しい。
そう思っていたころに、いつものように本屋さんをぶらぶらしていると、自然と起業・独立関連のコーナーへ足を運んでいました。
あ、今は1人でも株式会社が設立できるんだ…
それを知ってから意識は完全にそちらへ向くこととなりました。
去年のレーシックの時もそうでしたが、やると決めたからには一直線。
周りの人にそのことを伝えて、後には引けない状況にするのも同じでした。
そんなわけで2011年。
おみくじも大吉だったということもあり、さっそく手続きをすることになったわけです。
幸いなことに、所属している組合には会社をいくつか設立したベテランさんがいらっしゃったので、その方にいろいろ教えていただき、結局登記手続きについてきてもらえることになりました。
まずは定款の作成。
実は、今回初めて「ていかん」なる言葉を聞きました。その会社がどんな事業を行い、株式に関すること、役員に関すること等の決まりをまとめている書類なのですね。
大抵はテンプレート的なものを書き換えて作成するとのことで、同業種である、組合が設立した会社のものをベースにすることにしました。
そして印鑑。
個人の実印を役所へ登録し、印鑑証明を2通もらいました。
そして会社の印鑑を発注。代表印、銀行印、角印という3種類の設立セットなるものがありましたのでそれを注文。
2万円くらいでした。
「すご…ほんとに印鑑になってる…」
そんな第一印象。うららワークスが印鑑になってる!みたいな。
あとはわかる範囲で書類を用意し、とりあえず法務局へ持っていくことになりました。
朝9時に待ち合わせて法務局へ。
この日1番乗りで無料相談コーナーへ。
作成した書類をチェックしてもらうと、
「本店所在地はどこに記載されていますか?」
あ・・・定款に書かない場合は別途種類が必要ということが漏れていました。
その他にも、法務局でもらうと本に書いてあった印鑑の登録申込書とOCR読み取りに使う別紙という用紙をもらい、組合事務所へ退散。
組合事務所へ戻り、さっそく「本店所在地決定書」を作成。
その間に、定款を認証してもらう公証役場というところへ電話してもらい、FAXで先にチェックしてもらうことに。
その返事を待っている間に、資本金の払い込み証明の為の通帳の記帳をしに銀行へ。
今まで使っていた個人の口座へ自分の名前が振込元として載るようにすればOKとのことだったので、郵便貯金の口座から振り込みました。手数料450円…高っ!
事務所へ戻ると、定款の修正が必要と連絡があったので修正。
印刷して綴じ直し。3部用意しました。
そして午後。
生まれて初めて公証役場へ。そんな役場があることを今まで知りませんでした…
そこで公証人とご対面。おぉ、元ジョッキーの岡部さんに似ている…そう思いながら、持ってきた定款と実印を渡しました。
横にいた秘書らしき方が慣れた手つきで実印を各ページに押していきます。
自分のパソコンで作った文章が公の文章として認められる…
今まで感じたことのない不思議な感覚を得たのを今でも覚えています。
そして最終ページに公証人による直筆の署名。
最近は電子定款といって、紙で提出する人は少ないそうで、今年第1号とのことでした。これはいい記念♪
持ってきた4万円の収入印紙と印鑑証明書を渡して定款が2部返ってきました。
定款の1部は公証役場に20年保存され、1部は会社で保存。残りの1部を法務局へ提出するというわけです。
いよいよ法務局へ。ここが最終決戦。
無料相談コーナーへ再び。書類チェックを受けます。
「ここは定款と同じ記載でなければいけません。」
別紙に記載した項目は定款と一言一句同じである必要があるらしく、意味は同じでも表現が違うとアウト!ということでした…
ひょっとして持ち帰って印刷し直し…?
と思っていたら
「今日登記を済ませるおつもりですか?」
と聞かれて、そうですと答えると、手書きでの修正でもよいとのことでした。よかった…
後は言われるがままロボットのようにボールペンで書き写すこと数行。
なんとかOKになったようです。
結局用意した書類は…
・定款3部
・登記申請書
・払込証明書
・本店所在地決定書
・別紙(OCR用紙)
・印鑑届書
・印鑑証明書2通
登記にかかった費用は…
・定款の認証手数料5万円
・謄本証明料1250円(定款1ページ250円)
・定款用の収入印紙4万円
・登録免許税の収入印紙15万円
・資本金20万円
その他、会社印作成代、印鑑証明書代、電車賃などなど…
で、登記申請のコーナーへ書類一式提出して手続き完了!
その後、電話で確認事項がありましたが、翌日は連絡が無かったのでそのまま登記完了となりました。
これでおぎゃーと生まれたわけですね。
次は各役所へ出生届のようなものを提出することになりますが、一応はこれで誕生したということで。
平成23年1月27日
株式会社うららワークスが誕生しました。
資本金が少なくとっても怪しい会社っぽいので、まずは増資できるようにがんばらねば。
人を雇えるようになって、ゲーム開発なんてできたら素敵ですね。
個人でも会社が設立できるといういいタイミングで生まれた事に感謝しつつ、これからもプログラマーとしてがんばっていきたいと思います。
とりあえず的な感じがヒシヒシと伝わりますが、ホームページとメールアドレスを取得しました。
プログラマーらしくサンプルコードとか書いていけるといいなと妄想中。
http://www.urara-works.co.jp